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徹底レビュー:iPadに真っ向勝負「Galaxy Note 10.1(2014 Edition)」の本気
記事提供:TechTargetジャパン

 韓国Samsungの「Galaxy Note」ラインは、常に同社の最もハイエンドなハードウェア製品の一角を占めてきた。しかし、「Galaxy Note 10.1」は最新モデルの「2014 Edition」(日本は未発売)で、業界でも最先端のスペックの数々を装備した。タブレットとしては最高の解像度のディスプレー(iPadをも上回る)、強力な8プロセッサコア、拡張可能なストレージなど、多くの特徴を持つ。もちろん、Samsung独自のスタイラス「Sペン」に加え、豊富なアプリやオプションも用意されている。

 しかもSamsungは、2013年末までにこの第2世代Note 10.1を購入した人に、特典を山ほど提供している。

・Samsungのコンテンツストア「Hub」で使える50ドル分のクーポン
・「Google Play」で何にでも使える25ドル分のクーポン
・50Gバイトの容量を丸2年間無料で利用できるDropboxアカウント(100ドル相当)
・「Audible」からオーディオブック3冊を無料で入手可能
・Wi-Fiホットスポットサービス「Boingo」の1年間無料アクセス
・有料動画配信サービス「Hulu Plus」の利用料が3カ月間無料
 などといった具合だ。恐らくほとんどの人はこれらの特典を半分も使わないだろう。しかし、Samsungが顧客に新タブレットの便利さを満喫してもらおうと考えているのは明らかだ。間違いなくNote 10.1(2014)は最高のハイエンドタブレットの座を目指し、iPadに真っ向から対抗している。この目的のために用意されたスペックと機能のおかげで、新Note 10.1が本当に勝利を収める可能性もあるかもしれない。

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仕上がりとデザイン

Note 10.1(2014)のカラーはホワイトとブラックの2色。米TechTargetではホワイトモデルを入手した。前面はSamsungデバイスの典型的なデザインが踏襲されている。ホワイト(ブラックモデルではブラック)のベゼルがディスプレーを囲み、横向きで下部のベゼルの中央に物理ホームキー、その左右にタッチセンサーによるメニューキーとバックキーが配置されている。

Samsungデバイスでは最近、光沢のあるプラスチックの背面が採用される傾向があるが、それを歓迎していない人(私もそうだが)にとって、新Note 10.1はうれしい驚きだろう。背面はプラスチック製だが、レザー調のテクスチャが施され、縁にはステッチが入っている。安っぽく感じる人もいるかもしれないが、私にはとても好ましく見える。さらに重要なことに持ち心地が良い。滑りにくいだけでなく、指紋が付かないため汚れを心配する必要がない。また、上下左右の面にはプラスチックにアルミ風の塗装がなされているが(正直なところ、この工夫は余計だった)、目立ちすぎではない。

全体的にNote 10.1(2014)のデザインは堅実だ。質感が素晴らしく、見栄えも良く、デザイン上の判断の大部分は的確だ。ただし、キーに関してはいただけない(詳しくは後述)。背面はSamsungの他機種に見られるような光沢のあるプラスチック製で見た目が安っぽいものとは一線を画している。また、この新タブレットでは覆われていてほしい場所は全て覆われている。非常に出来の良いハードウェアといえる。

ディスプレー

Note 10.1(2014)のディスプレーはまさに驚異的だ。解像度は2560×1600と極めて高く、フルHD規格(1920×1080としか定義されていない)をはるかに超える。DPI(画素密度)も、人間の目が識別できる限界である300近くに達する。実際、解像度も画素密度もAppleのiPad AirのRetinaディスプレーを大きく上回っている(DPIは新Note 10.1が299ppi、iPad Airが264ppi)。

スペックが派手なだけではない。実際に画面を見ると、鮮やかさがすぐに分かる。私物のタブレット「Galaxy Tab 10.1 LTE」とNote 10.1(2014)で同じ写真を見比べると、私のGalaxy Tabは不鮮明で貧弱、情けないほど低解像度に見える。別の高解像度ディスプレーと比べても、Note 10.1(2014)はこれ以上望めないくらい鮮やかでくっきりしている。並べて交互に見ても、私が比較できるどのタブレット(Retinaディスプレーを搭載するiPadも含む)よりもカラー品質とコントラストが優れている。

端的に言えば、Note 10.1(2014)は私がこれまでに見たタブレットの中で最高のディスプレーを搭載している。確かに有機EL(OLED)ディスプレーはもっと優れているかもしれないが、それらが10インチサイズで実用化されるまでは、Note 10.1(2014)のディスプレーが、タブレットに求め得る最高の画質を提供することになる。

ボタンとコントロール

Note 10.1(2014)では電源ボタンと音量ボタンが上面の左側(横向き時)に移動している。左側面の最上部にはヘッドセット(またはヘッドフォン)接続端子があり、右側面の最上部には、よく知られているSペンの収納部がある。筆圧センサー搭載スタイラスであるSペンはGalaxy Noteシリーズを比類なきものにしている。詳しくは後述する。

注意も必要だ。上面と下面を間違える心配が少しあるかもしれない。上面にも下面にも真ん中に小さな半円形のくぼみがあるからだ。下面のくぼみはデータ転送や充電のためのMicro-USB接続端子で、上面の方はNote 10.1(2014)をTVのリモコンとして使うための赤外線ポートだ(これについても詳しくは後述)。これまでのところ、私は充電ケーブルを赤外線ポートに挿そうとしたことはないが、そうしてしまう人がいてもおかしくない。注意が足りないと特にこの失敗が起こりやすい。

しかし、これはごくささいなことだ。Note 10.1(2014)のデザインに関しては、私はキー(ボタン)に大きな不満がある。Samsungは他のGalaxy Noteモデルと同様に、タッチセンサーによるメニューキーおよびバックキーと、物理ホームキーを選択した。個人的にはデバイスの向きに応じて位置が回転する画面上のボタンを採用してくれた方がずっと良かった。

縦向きと横向きの切り替えをどのくらい行うかによっては、キーが固定されていると、うっかり押したり触ったりしてしまう。縦向き時には特にそうだ。だが、この問題は驚くほど簡単に改善できる。仮想的なボタンであれば、ユーザーが持つ向きに合わせて回転するため、縦にして側面を持っても邪魔にならない。

現状では、縦にしてキーがある側面を持つ場合にはキーを避けて持つしかない。空いた手で画面をタッチ操作することになるが人間工学上の問題は避けられない。小さな苦情かもしれないがデザイナーにもう少ししっかり考えてほしかった。

パフォーマンス

Galaxy Note 10.1(2014)は通常、オクタコアプロセッサを搭載すると説明されている(実際、搭載プロセッサは「Exynos Octa 5420」と呼ばれている)。だが、これはあまり正確ではない。コアの数は8個だが、これらは全て同時に使われるわけではない。

代わりにこの8個のコアは2つのクアッドコアシステムで構成されている。その1つは、1.9GHzのA15クラスコア4個のセット。最先端の設計によるものであり、極めて高い性能を発揮する。例えば、ベンチマークアプリ「Quadrant」を3回実行したところ、Note 10.1(2014)は平均1万8000超というかなり驚異的なスコアをたたき出した。これに対し、Samsungのフラッグシップスマートフォンである「Galaxy S4」のスコアは1万2000にとどまる。ハイエンドスマートフォンでも5000弱程度のスコアだったのはそれほど昔のことではない。ただし、ご想像の通り、このように高速なシステムはバッテリー消費も多い。

そこでもう1つのクアッドコアシステムの出番となる。これは1.3GHzのA7コア4個のセットだ。ユーザーが処理能力にあまり負担を掛けない使い方をしているとき、例えば、ちょっとしたWeb閲覧やライトなゲームをしているときなどに作動する。これらのコアはかなりのパワーを提供してデバイスを動作させるが、A15コアよりも電力効率が大幅に高い。ユーザーは、消費電力が多いコアの処理に頼らずにWebやYouTubeを思う存分楽しめる。このシステムは全体として(以下の「バッテリー持続時間」で説明するが)見事に機能する。

Note 10.1(2014)のストレージ容量は16Gバイトと32Gバイトの2種類(われわれがレビューに使った32Gバイトモデルでは、実際に利用できる容量は25Gバイトだった)。確かに、一部の競合他社は、64Gバイトやさらには128Gバイトのモデルも提供しているが、それらの価格はNote 10.1(2014)の比ではない。

さらに、この新タブレットはmicroSDスロットを備えているため、ストレージを拡張できる。64GバイトのmicroSDカード(現在入手可能な最大容量)を使えば、合計75~85Gバイトのストレージを利用できる。そのコストは比較可能なデバイスよりも大幅に安い。

Multi Window

Note 10.1(2014)のソフトウェアについては、興味深いちょっとした便利機能が数多く提供されている。ソフトウェアパッケージには多くのアプリが含まれているが、よく知られているSペンは、私の意見では非常に便利ではあるものの、実は“キラーアプリ”ではない。キラーアプリは、Samsungのマルチタスキング機能「Multi Window」だ。

私が初めてこの機能に出会ったのは、「Galaxy Note 8.0」をレビューしたときのこと。この機能のおかげで画面を分割して2つのアプリを並べて実行できた。その段階でも既にクールで便利なアドオンだった。例えば、ユーザーは電子メールを開いておいてGoogleマップで住所検索をしたり、メッセージの返信を作成しながらWebを閲覧したりといったさまざまな便利なことができた。Multi Windowはマルチタスキングユーザーが高く評価する、魅力的で役に立つ小さなアプリだ。

もっと画面が広いNote 10.1(2014)では、Multi Windowが真価を発揮し、絶対に欠かせない要素になっている。10インチタブレットは画面領域が7インチタブレットのほぼ2倍。このため、2つのウィンドウを開いていると、データを共有する2つの小さなタブレットを一緒に手に持っているようなものだ。

Multi Windowの利用例
確かに、すぐに並べて実行できるのは特定のアプリに限られる。だがその中には、Androidの標準アプリの多く、例えば、マップ、Chrome、電子メール、Gmail、音楽や動画のプレーヤー、YouTubeなどが含まれる。

並べて表示したウィンドウ間ではテキストと画像の両方をカット&ペーストすることもできる。同じアプリの異なるインスタンスを同時に実行することも可能だ。

では、友人からのメッセージを確認しながら何かを見ることは? 住所を調べながら別のことをすることは? インターネットを閲覧しながらYouTubeを見ることは? Multi Windowでは、こうしたことが全て可能であり、どんな場合でも、スムーズに両方がこなせる。Multi Windowを適用できるアプリの種類には制限があるが、よく使うものの大部分がカバーされるだろうし、この機能が有効なアプリはさらにもっとあるはずだ。

もちろん、Note 10.1(2014)で使える他の多くのアプリが役に立たないと言っているわけではない。こうしたアプリが極めて役に立つこともある。Dropboxアプリで50Gバイトを無料で使える特典などはさておいても、秀逸な機能が豊富に用意されており、主にSペンを使うことで利用できるようになっている。

Sペン

Sペンは、不要な人には奇をてらった機能のように見えるかもしれないが、自分のデバイスの使い方に合う人にとっては大いに便利だ。まず第1にSペンは1024段階の筆圧を検知する。Note 10.1(2014)の搭載アプリがとても利用しきれない高感度だが、この感度のおかげで、熱心なアーティストはこのデバイスと良質な描画アプリの組み合わせをワコム製タブレットの安価な代替と見なすことができそうだ。


本体に格納できるSペン

また、Note 10.1(2014)には「Sketchbook Mobile」のカスタム版が搭載されており、Sペンの特別な機能が利用できる。しかし、これは通常版にアップグレードした方が、Sペンをより有効活用できる可能性があると思う。比較的シンプルなメモアプリや、機能が限定された手書き認識アプリも用意されている。

さらに、各種の情報を記録しておける「Evernote」の利用特典も提供されている他、Sペンのカット&ペースト機能を利用できるように設計されたSamsung独自のアプリ「Scrapbook」も用意されている。

通信

Note 10.1(2014)は、ハイエンドデバイスではかなり一般的なデュアルバンドWi-Fi、Bluetooth、GPSといった無線機能を備えている。だが、奇妙なことにNFCはサポートしていないようだ。Samsungがこの機能はタブレットではあまり役に立たないと判断したためかもしれない。このデバイスで提供される無線機能のパフォーマンスは、いずれも予想通りだった。

生産性

基本的にGoogleの電子メール、カレンダー、同期といったアプリや機能を除けば、Note 10.1(2014)は本格的な生産性アプリとしては、ドキュメントを扱うための「Polaris Office」しか搭載していない。このアプリは十分な機能を持つが、モバイルオフィス市場の有力製品ほどの人気はない。

エンターテインメント

Note 10.1(2014)のエンターテインメントアプリは、標準的な音楽および動画プレーヤーとHub(Google Playと同様のSamsungの音楽および動画コンテンツストア)を除けば、かなり地味なラインアップだ。

注目に値するのは、Note 10.1(2014)の赤外線ポートを利用するためのソフトウェアだ。このソフトウェアにより、このタブレットはほとんどのホームシアターコンポーネントのリモコンとして機能する。私のOlevia TVとDish Networkの衛星ボックスは、新Note 10.1から問題なく使うことができ、リモコン操作はサクサクと簡単にできた。アプリから通知パネル内の専用パネルを開いて、チャンネル変更や音量変更、電源のオンオフを素早く行うこともできる。

実のところ、このリモコン機能に関する私の唯一の不満はソフトウェアにある。具体的には、搭載アプリが純粋なリモコンインタフェースを提供してくれず、簡素化されたインタフェースを番組ガイドとともに表示することだ。私としては、他のNoteモデルに搭載されていた「Peel Remote」の方が気に入っている。だが幸い、これはNote 10.1(2014)にインストールできる。

このタブレットでは「Samsung AllShare」による画面のミラーリングも可能だ。Samsung AllShareでは、自分のデバイスの画面を互換性のあるTVに無線でミラーリングできる。有線ケーブルなしでHDMI出力ができることになる。だがあいにく、私はこの機能を試すのに使える、互換性のあるSamsung TVを用意できなかった。

Note 10.1(2014)では、従来の画面出力方法であるHDMIも、少なくとも、特定の技術を使って利用できるはずだ。しかし残念ながら、この機能は確認できなかった。理論上、このタブレットではMHL接続を介してHDMIを利用できると考えられる。しかし、SamsungブランドのMHLアダプターを使って私のTVにつないでも、うまくいかないようだ。TVもこのタブレットも接続相手を認識していないように見える。私が何かを間違えた可能性もあるが、それが何かは分からない。

カメラ

Note 10.1(2014)は、8Mピクセル背面カメラと2Mピクセル前面カメラを搭載しており、まずまずの画質を提供するが特別な点は何もない。背面カメラは、スマートフォンの8Mピクセルカメラの大半と肩を並べるが、実のところ、タブレットのカメラにはそれくらいしか期待できないだろう。タブレットではカメラの品質はせいぜい二の次だ。

バッテリー持続時間

Note 10.1(2014)は豊富な機能が盛り込まれ、強力なプロセッサ群を搭載することから、バッテリー持続時間が最大の弱点と思われるかもしれない。だが意外にも、そうではなさそうだ。バッテリー持続時間の新記録を作ることはないだろうが、平均的な使い方であれば、このタブレットのバッテリーは他の10インチモデルと同様にかなり長持ちするだろう。

画面の明るさの設定を工夫すればWeb閲覧や読書、軽量なゲームといった場合には、8~10時間のバッテリー駆動を問題なく期待できる。ただし、ハイエンド3Dゲームに没頭したり、同様のアプリでこのタブレットを目いっぱい使ったりするのであれば、バッテリー持続時間は大幅に短くなることを覚悟しなければならない。極端な状況では4時間しか持たないかもしれない。もっとも大量の電力やリソースを要求するアプリやゲームを連続的に実行する時間と考えれば、それでもかなり長い時間だ。

Note 10.1(2014)には2A(アンペア)の充電器が付属するが、電流が低い各種充電器も使える。500mAの充電器からも充電でき(時間はかなりかかる)、1Aの携帯電話用充電器なら、一晩でしっかり充電できる。このためバッテリーを毎日酷使している人はメイン充電器を常備した方が良いが、大抵の場合は、充電したくなったときに近くに一般的な充電器があったら、それがどんなものでも使っていればよい。

結論

SamsungのGalaxy Note 10.1(2014 Edition)は一言で言えば、素晴らしいハードウェアだ。かなり値段も張るが、iPadのような他のハイエンドタブレットと似たり寄ったりの値段であり、購入者はその価格と引き換えに豊富な機能を手に入れることになる。

Note 10.1(2014)のベースモデルはiPad Airのベースモデルよりも50ドル高いが、その差額でSペンや、マルチタスキング機能を含むSamsungの全アプリ、より高精細なディスプレー、そして最も重要なことに拡張可能なストレージが利用できるようになる。

Note 10.1(2014)の16Gバイトモデルは、64GバイトのmicroSDカードを挿せば70Gバイト以上が利用可能になり、これらの購入費の合計は57Gバイトが自由に使えるiPadの64Gバイトモデルの購入費よりも100ドル安い。しかも、これは50Gバイトが無料で使えるDropboxアカウントのような新Note 10.1の特典の価値は考慮しない比較だ。

Note 10.1(2014)は、小さな短所もあるが全体として優れたデザイン、エンジニアリング、製造がなされているデバイスだ。iPadの対抗馬としてSamsungが構想したこのデバイスは、まさにその通りに作られている。極めて高いスペックを誇り、多くの付加機能を備え、それらは全体的にエンドユーザーにとって非常に便利だ。Note 10.1(2014)がiPadを打ち負かすかどうかは、判断する人の好みに大きく左右される。だがいずれにしても、Samsungはこの第2世代Note 10.1で真剣勝負を挑んでいる。あなたが仕上がりにこだわったハイエンドタブレットを探しているなら、この製品はその基準を突破している。

【長所】

  • ・優れたスペック
  • ・ストレージを拡張できる
  • ・バッテリーがかなり長持ち
  • ・アプリを並べて表示できるマルチタスキング

【短所】

  • ・キーの配置に疑問
  • ・アルミ風の塗装(上下面、両側面)とレザー調のテクスチャ(背面)は、好みによって評価が分かれる