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医療IT記事 徹底比較:「MacBook」と「iPad Pro」のどちらが優秀? 常識が覆る結果とは

新しいコンピュータが必要なAppleファンには、「MacBook」と「iPad Pro」という2つの現実的な選択肢がある。また、見方を変えると、従来の「OS X」(macOS)と「iOS」搭載の2-in-1デバイスのどちらが良いかという考え方をすることもできる。この質問に答えるべく、12.9インチのiPad Pro(iPad Pro)を、2016年モデルのMacBook(MacBook 2016)と比較して、どちらがベストなApple製コンピュータであるかを検証してみた。

記事

●構造とデザイン

MacBook 2016は非常に薄型で軽量のデバイスだ。一番厚みがある部分を計測しても、寸法は28.05(幅)×19.65(奥行き)×1.31(高さ)センチ、重量は0.92キロとなっている。一方、iPad Proの寸法は305.7×220.6×6.9ミリ、重量は723グラムである。Appleの「Smart Keyboard」を装着すると、厚さは約14ミリ、重量は952グラムになる。iPad ProとSmart Keyboardの組み合わせは、MacBook 2016を単体で使用するよりかさばる。だが、iPad Proの方が画面は大きい。

iPad Proは、「シルバー」「ゴールド」「スペースグレー」の3色展開だ。MacBook 2016は、この3色に加えて「ローズゴールド」が用意されている。従来のノートPCのデザインと比べて、MacBookはボディーと色が人目を引く作りになっている。一方、iPad Proでは、色が人目を引くことはあまりない。その原因は、本体の半分が黒ガラスのディスプレイで覆われていることにある。また、ディスプレイは、「Smart Cover」で保護されていることが少なくない。Smart Coverは、プラスチック製で「ホワイト」と「チャコールグレイ」というパッとしない色味である。

どちらのデバイスの構造品質もApple製品に期待されるレベルの素晴らしい仕上がりになっている。

MacBook 2016は、従来の2つ折りのデザインで、指1本でカバーを開けることができる。iPad ProとSmart Keyboardを組み合わせてノートPCのような形にするには、もう少し手間が掛かる。とはいうものの、数秒もあれば完成する。

iPad Pro最大のメリットの1つは、必要なければキーボードを外せることだ。ネットサーフィン、動画の視聴、ゲームのプレイ、電子書籍の閲覧などの操作では、キーボードは邪魔になるだけだ。このような場合には、iPad Proの方が使い勝手が良いだろう。MacBook 2016のキーボードは取り外すことができない。

MacBook 2016の方が持ち運びやすく、見た目も若干優れている。だが、iPad ProにはノートPCとタブレットのどちらとしても使えるというメリットがある。

○ディスプレイ

iPad Proは、12.9インチのIPSディスプレイを搭載しており、解像度は2732×1248だ。ピクセル密度は264ppiで、アスペクト比は4:3だ。一方、MacBook 2016は12インチのIPSディスプレイを搭載しており、解像度は2304×1440だ。ピクセル密度は226ppiで、アスペクト比は映画向きの16:10だ。

画面の面積を比較すると分かりやすいだろう。iPad Proの表示領域は517.41平方センチ、MacBook 2016の表示領域は420.64平方センチだ。つまり、iPad Proのディスプレイの方が20%以上大きいことになる。

どちらのディスプレイの見た目も申し分ない。MacBook 2016のレビュー記事では次のように評価している。「色は暖色寄りになる傾向がある。ディスプレイの視野角は広く、コントラストも素晴らしい上に高精彩だ」

一方、iPad Proのレビュー記事では次のように評価している。「画面上の文字は、紙に印刷したかのように表示され、画像は非常に鮮明だ。また、色合いは鮮やかで力強い」

両方のデバイスを屋外で使用したところ、直射日光の下でも問題なく使用できることが確認できた。ただし、そのためにはバックライトの明るさを最大に設定しなければならない。この設定は、バッテリー持続時間にはマイナスに働く。

ディスプレイに関しては、大きい方が良い。また、ピクセル密度についても同じことがいえる。つまり、ディスプレイは、iPad Proの方が優れているということになる。

重要なポイントは、今のところAppleがOS Xモデルにタッチスクリーンを搭載することを拒んでいることだ。つまり、画面を操作するには、タッチパッドやマウスなどの間接的なツールの使用が必須となる。iPad Proでは、ユーザーは指で画面を操作できる。また、「Apple Pencil」を購入すれば、絵を描くことも可能だ。

このカテゴリーに関しては、全面的にiPad Proの方が秀でているだろう。

○キーボードとトラックパッド

試行錯誤の末にたどり着いた真の2つ折りのデザインにより、MacBook 2016は、薄型のキーボードを実装している。幅は27.3センチ、高さは11.43センチとなっている(ただし、キーボード上部にあるファンクションキーの列は含まない)。各キーのサイズは17.78×17.78ミリで、間隔は1.27ミリだ。

Smart Keyboardには、MacBook 2016と同じキー領域が用意されている。だが、各キーのサイズは15.24×15.24ミリ、間隔は3.81ミリとなっている。なお、残念ながら、Smart Keyboardにはファンクションキーの列はない。

前述の通り、iPad Proでは、必要なければキーボードを取り外すことができる。ただし、Smart KeyboardやZAGGの「Slim Book」などを使用するには、キーボードを追加で購入しなければならない。そのため、物理キーボードをなしで済ますiPad Proユーザーも少なくない。とは言うものの、ノートPCの代わりが務まるタブレットが必要な場合は物理キーボードの購入をお勧めする。

ノートPCに標準搭載されているもう1つの機能は、タッチパッドだ。MacBook 2016のタッチパッドは非常に使い心地が良い。サイズは11.17×6.85センチと本体に対して大きめだ。ちなみに、MacBook 2016のレビュー記事では、「動作が滑らかで応答性も高く、Appleの『「OS X』の操作に適した手段となっている」と評価している。

MacBook 2016とiPad Proのキーボードは、どちらも日常的なキー入力に関してはそん色ない。ただし、MacBook 2016にはファンクションキーの行があるため少し使いやすいだろう。そうは言っても、iPad Proのメリットは、必要なければキーボードを取り外せることだ。

今のところ、AppleはiOSでトラックパッドやマウスをサポートすることに関心を示していない。というのもiPad Proではタッチスクリーンの方が適切なソリューションだと考えられているからだ。ノートPCを使い慣れているユーザーにとって、この点は短所になるだろう。だが、しばらく使用して慣れれば、iPad Proのディスプレイ全体が実質的にトラックパッドになる。

○端子、ボタン、スピーカー

端子に関しては、どちらのデバイスでもAppleは同じ設計理念を採用している。iPad Proは、「Lightning Connector」への依存度が高い。Lightning Connectorから電源を取り、外付けモニター、USBフラッシュドライブ、microSDカードリーダーとの通信もLightning Connectorを経由している。それから、外付けキーボードなどを取り付けるための「Smart Connector」も搭載されている。

同様に、MacBook 2016も単一の「USB-C」端子にほぼ完全に依存している。電源、モニター、USBフラッシュドライブ、カードリーダーへの接続にUSB-C端子の存在は欠かせない。

どちらもヘッドフォンジャックは用意されており、Bluetooth対応のキーボードをサポートしている。それから、MacBook 2016ではワイヤレスマウスが使用可能だ。

iPad Proの前面には、iOSの操作に欠かせないホームボタンが配置されている。また、ホームボタンは指紋スキャナーの役割も兼ねている。この機能によりiPad Proのロック解除操作がずっと容易になっている。それから、オンラインショッピング時の煩わしさからも解放される。なお、MacBook 2016に同等の生体認証セキュリティシステムは搭載されていない。

iPad Proには4つのスピーカーが搭載されている。一方、MacBook 2016にはキーボードの上に大きなスピーカーが1つのみ配置されている。スピーカーは1つしかないが、MacBook 2016の音量は十分だ。MacBook 2016のスピーカーはユーザーの方を向いており、iPad Proのスピーカーは四方に向いていることが原因だろう。

●パフォーマンス

レビューのために使用したMacBook 2016には、第6世代の「1.1GHzデュアルコアIntel Core m3プロセッサ(Turbo Boost使用時最大2.2GHz)」が搭載されている。それから、「1.2GHzデュアルコアIntel Core m5プロセッサ」(Turbo Boost使用時最大2.7GHz)を搭載した構成も用意されている。

タブレットの性能がノートPCに後れを取っているというのは過去の話だ。事実、iPad Proには、2.26GHzのデュアルコアの「Apple A9X」プロセッサと4GBのRAMが搭載されている。

Primate Labsの「Geekbench 3」ベンチマークツールを使用して、これらのデバイスをテストしてみた。Core m3搭載のMacBook 2016のマルチコアに関するスコアは悪くなかったが、iPad Proのパフォーマンスの方が優れていた。とは言うものの、Core m5搭載のMacBook 2016のスコアが3台の中で最も高い結果となった。

iPad Proに搭載されているRAMはMacBook 2016の半分しかないので、これは異なる条件での比較になる。OS X搭載デバイスにとって、8GBのRAMは十分である。だが、iOS搭載デバイスにとって4GBのRAMは過剰といえる。というのも、iOS自体とiOSアプリは、それほどRAMを必要としないからだ。

MacBook 2016には、2つの構成が用意されている。1つはCore m3と256GBのストレージを搭載したもの。もう1つはCore m5と512GBのストレージを搭載したものだ。一方、iPad Proには、32GB、128GB、256GBのストレージモデルが用意されている。ストレージの比較でもRAMの比較と同じ状況が発生している。OS Xにとって512GBのストレージは適度な量だが、iOSタブレットにとって256GBのストレージは大き過ぎる。

○ソフトウェア

一方がノートPCで、もう一方が2-in-1デバイスであることを考慮しても、この2台のデバイス最大の違いは搭載しているOSがOS XとiOSだという点である。多くのユーザーにとっては、これがどちらを購入するかを判断する際の最大の決め手となるだろう。

最近、Appleのタブレット用OSは少なからぬ進化を遂げている。iPhoneよりもiPadの方が成長著しい。iOSもOS Xと同じレベルで、ネットサーフィン、メール、動画の視聴を行えるようになっている。Microsoftの「Microsoft Office for iPad」のリリースによって、iOSは大きな後押しを受けている。Office for iPadのリリース後、Appleは同社が個人と企業向けに提供している生産性向上アプリスイートを無料で利用できるようにした。iPad Proでは2つのアプリを同時に並べて使うことができる。また、ビデオについては「ピクチャ・イン・ピクチャ」機能が導入されている。iOSデバイスのメンテナンスは、OS XやMicrosoftの「Windows」などのデスクトップOSを搭載したデバイスと比べると簡単だ。

とは言うものの、OS XがiOSより強力なのは紛れもない事実である(なお、OS Xは近々「macOS」に改名される予定だ)。OS X対応のアプリが必要な場合は、MacBook 2016を購入すべきだろう。

iPad ProとMacBook 2016のどちらかの購入を検討している場合は、「モバイルコンピュータで行う必要があることは何だろうか。その全てにiOSは対応できるだろうか」と自分に問い掛けてみてほしい。iPad Proで利用可能なアプリで全てのニーズが満たされる場合、OS X搭載のMacBook 2016を購入すると、お金と時間を無駄にすることになるだろう。

○ワイヤレス

Wi-Fiについては、MacBook 2016とiPad Proはどちらも802.11a/b/g/n/acに対応している。それから、iPad Proはデュアルバンド(2.4GHzと5GHz)とMIMO対応HT80をサポートしている。

MacBook 2016は、ワイヤレス周辺機器への接続にBluetooth 4.0を使用する。一方、iPad ProはBluetooth 4.2を使用する。

iPad Proには、組み込みの4G LTEを使用してインターネットにアクセスできるWi-Fi + Cellularモデルがある。Wi-Fi + Cellularモデルを購入すると、本体価格が130ドル(1万6000円、税別。以下同じ)高くなり、LTEの使用料も発生する。iPad Proは、さまざまな携帯電話会社のデータネットワークに接続できる。これには、米国の大手4社のサービスが全て含まれる(※)。ただし、MacBook 2016では、携帯電話データネットワークを利用することはできないため、外部のWi-Fiスポットを利用するほかない。

ワイヤレスに関してもiPad Proに軍配が上がる。

※訳注:日本国内のデータプランの場合、iPad Wi-Fi + Cellularモデルは、ソフトバンク、KDDI、NTTドコモの高速携帯電話データネットワークに接続できる。

○カメラ

iPad Proには、8メガピクセルのiSightカメラ(背面カメラ)と1.2メガピクセルのFaceTime HDカメラ(フロントカメラ)が搭載されている。後者は、720pのスローモーションビデオ撮影に対応している。一方、MacBook 2016にiSightカメラは搭載されておらず、FaceTime HDカメラも480pと低めだ。

カメラについてもiPad Proに優位性が認められる。

○バッテリー

バッテリーの持続時間を検証するために、これらのデバイスで耐久テストを実施した。Wi-Fi接続経由で動画をストリーミングしたところ、MacBook 2016のバッテリーは1回の充電で5時間40分持続した。同じテストをiPad Proで実施したところ、バッテリーの持続時間は8時間という結果になった。

バッテリーについては、iPad Proに明らかな優位性が認められる。

●結論

12.9インチのiPad ProがMacBook 2016よりも、デザインが柔軟で良いディスプレイを搭載していることは明らかだ。それから、バッテリーの持続時間は長く、ワイヤレス接続については追加の選択肢が用意されており、便利な指紋スキャナー、高性能なカメラも搭載されている。一方、MacBook 2016は若干だがiPad Proより高い携帯性を誇っている。OS XはiOSよりも確実に強力で、スピーカーの音量も申し分ない。

iPad Proのパフォーマンスは、Core m3を搭載したMacBook 2016より優れている。だが、Core m5を搭載したMacBook 2016のパフォーマンスが最も高いという結果になっている。

MacBook 2016には非常に使い心地の良いタッチパッドが搭載されている。だが、iPad Proのディスプレイ全体はタッチパッドのようなものだ。MacBook 2016に単一のUSB-C端子しか搭載されていない状況は、iPad Proに単一のLightning端子しか搭載されていない状況と非常に似ている。iPad Proに追加でSmart Keyboardを使用すると、文字入力については同等だ。

○価格

iPad Proは、256GBストレージのモデルとSmart Keybordを購入すると、1268ドル(15万600円)になる。一方、256GBのストレージとCore m3を搭載した構成のMacBook 2016の価格は1299ドル(14万8800円)だ。

これはMacBook 2016で最も安価なモデルである。だが、ストレージの容量が少なくても良い場合は、32GBモデルのiPad Proを購入すると、その価格は799ドル(9万4800円)になり、出費を大幅に抑えることができる。

最上位モデルのCore m5と512GBのストレージを搭載したMacBook 2016を購入すると、1599ドル(18万4800円)になる。また、256GBのストレージ、4G LTE、Smart Keyboard、Apple Pencilとフル装備にしたiPad Proの価格は1497ドル(17万8400円)だ。

OS Xが必要ない場合は、iPad Proを購入することで、出費を削減できるのは明らかだ。

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